恋愛のやり直し方
俺の声に素早くビクッと反応した綾。



なんだよその反応。




怯えているようにも見える綾の態度が気に入らない。
まるで、俺が悪いことしたヤツみたいだろ。




……身に覚えがないこともないけど。







結局ちゃんとお前の気持ちを聞く前に、お前の身体を求めてしまったのは紛れもなく俺だ。





だけど、全く抵抗することもなく俺を受け入れてくれたのは、綾も俺のことが好きだって事だと思ったのは俺の独りよがりなのか?






あぁ、こんなに不安になるくらいなら、昨日のうちにちゃんと綾の気持ちを確認するべきだった。




とはいえ、時間は戻せない。





戻ったところで、俺にちゃんと理性が働くかってことも……自信が無い。






『惚れた弱み』なんてありきたりな言葉だけど、良く的を得てると今の俺は妙に納得する。





だけど、悔しいじゃん。
いつもドギマギ冷静になれないのが俺だけなんて。






だからつい口をついて出てくる言葉は、お前を怒らせるだけだって分かっていても困難ことしか言えないんだ。







「やり逃げ?」












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