それでも私は人斬りだった。
私が下へ降りるとすでに、人が数名血まみれになって倒れていた。
全員、下の護衛の者たちだった。
生々しい血の臭いがする。
私は、ショックで気がおかしくなりそうになるのを抑えた。
そして、私は微かに殺気を感じる部屋へと入って行った。
「うわーーー。」
私が、襖を開いた瞬間。
私の目の前で護衛のものが斬られた。
その人の血が私の頬に飛び散った。
その部屋には、もう一人、浅葱色の羽織りを着た人が立っいた。
殺気がビンビン伝わってくる。
その人は、私の気配に気づいたからか、振り向いた。
「ーーー………。」
私は、彼を見た瞬間。
身体が凍ったかのように動かなくなった。
人を斬る冷たい瞳。
恐ろしいほどの殺気。
でも、私はそれらを恐れて動けなくなった訳じゃたかった。
彼のあまりの美しさに、
私は、不覚にも見とれてしまった。
彼の白い肌に純血の赤が美しく見える。
彼は、私に近づいてきた。
来る!!!
私が刀を構えようとした瞬間、彼は刀を鞘に戻した。
そして、彼が私を見る目は、さっきの冷たい人殺しの目ではなくなっていた。
優しく、そして少し驚いた表情で私を見た。