それでも私は人斬りだった。


周りが闇につつまれた深夜。


私は西屋の2階の座敷にいた。


なにかの話し合いをしている隅で、私は刀を持って座っていた。


私以外も、下に見張りが何人かいた。




何も起こらなきゃいいけど……。


心の中で呟いた。


私は決してあの討論に興味はない。


ただ、桂先生に彼らを守るように言われたから来ただけだ。


私は、そう思いながらも、何となく討論を聞いていた。

その討論がさらにヒートアップすると同時に、私が睡魔に襲われ始めたころ。


「!!」


ゾクッと身体を震わす殺気を感じた。


討論の声で下の音が聞こえにくいが、たしかに下で何かが起こってる。


「みなさん。侵入者が来たかもしれません。早く押し入れに隠れてください。」

私がそういうと、おじさんたちは、さっきの活気が消え、顔を青ざめながら、押し入れへと逃げ込んだ。


私は、刀を抜いた。


下で護衛をしている人たちが心配だった。




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