てんしからのプレゼント
いろ
「降りるよ」
「うん」
タクシーにお金を払い終わったお母さんは私の手を引っ張って車から降りた。
目の前には葬式場がありそれなりに人が並んでいる。
「あみちゃん!」
「ゆうなちゃん…」
「あみちゃーん!!」
二人は相変わらず笑顔であたしもつられて笑顔になる。
お母さんは顔を少し歪ませてから「受付に行ってくるね」と言い先に歩いて行った。
「二人はもう見たの?」
「ううん。これから」
「わたしも。一緒に行こう」
ある程度並んでいる列に並んで受付を済ませたあたしたちは線香の匂いが立ちこもっている葬式場へ足を踏み入れた。
さきに見えたのは那智の笑顔の写真で、つぎに見えたのが今にも泣き崩れそうなほど泣きながらも懸命に参列者に頭を下げている那智の母親で父親はそばで支えている。
棺桶から覗いている那智の顔はとても綺麗でとても穏やかだった。
ただ首に付いているうっすらとした紐跡は痛々しかった。
「あみ、帰るよ」
「うん。じゃあ二人ともばいばい」
「じゃあね、また明後日」
「明後日ねー…」
二人と別れてすぐにタクシーを捕まえたお母さんの顔は少し怒っていた風に見えた。
「うん」
タクシーにお金を払い終わったお母さんは私の手を引っ張って車から降りた。
目の前には葬式場がありそれなりに人が並んでいる。
「あみちゃん!」
「ゆうなちゃん…」
「あみちゃーん!!」
二人は相変わらず笑顔であたしもつられて笑顔になる。
お母さんは顔を少し歪ませてから「受付に行ってくるね」と言い先に歩いて行った。
「二人はもう見たの?」
「ううん。これから」
「わたしも。一緒に行こう」
ある程度並んでいる列に並んで受付を済ませたあたしたちは線香の匂いが立ちこもっている葬式場へ足を踏み入れた。
さきに見えたのは那智の笑顔の写真で、つぎに見えたのが今にも泣き崩れそうなほど泣きながらも懸命に参列者に頭を下げている那智の母親で父親はそばで支えている。
棺桶から覗いている那智の顔はとても綺麗でとても穏やかだった。
ただ首に付いているうっすらとした紐跡は痛々しかった。
「あみ、帰るよ」
「うん。じゃあ二人ともばいばい」
「じゃあね、また明後日」
「明後日ねー…」
二人と別れてすぐにタクシーを捕まえたお母さんの顔は少し怒っていた風に見えた。