てんしからのプレゼント

のーと

青い空の下にあるのは一冊のノートだった。


引き寄せられるように近づき、ノートの表紙を開く。



******



「あみちゃん好きな人がいるの?」


「うん。那智、他の人には言わないでね?」


「もちろん。で、だれ?」



あれは確か高校入ってすぐのころでまだゆうなちゃんとゆいちゃんとは友達になっていなくてあたしと那智だけだったころ。


《あたし》は少し恥ずかしそうな顔してから目で那智の左斜め後ろの席に目をやった。



「うそ!坂本くん?!」


「こ、声…おおきい」


「ごめん、ごめん。そっか…なーるほど…」



*********



「この一か月後…二人は付き合いだした」



*********



「実は――」


ゆいちゃんとゆうなちゃんにそれを話すと二人は驚愕の表情を浮かべたあと何か思いついたような顔をした。


あたしはそれを客観的に見ている。

急に視点が変わったと思えば教室の扉の前で固まっている那智がいた。



だめ、その先を聞いちゃ!



那智の耳を抑えようとしても手が届かない。



「裏切り者けーっていー」



楽しそうな笑い声が教室に響く中、那智は泣きそうな顔をして唇を噛み締めていた。



那智は知っていたんだ。初めからなにもかも。




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