てんしからのプレゼント
それからのあたしたちの態度は酷いもので無視したり存在しないように扱ったり……けれどそれは一年くらいで収まった。


「……も、だめ」


那智の諦めた声が響くのは那智の部屋。


泣きながら枕を抱きしめて死んだような目をしている。




那智が泣き寝入りしたのを見てふと、勉強机の上にポツンと置いてあるノートを発見した。


開けるのかは置いておく。


手を伸ばしてノートの表紙をめくることができた。




_________
4月30日


わたしは坂本君に一目ぼれをした。


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あたしより明らかに早く坂本くんを好きになっていた那智。





ああ、すべて紐が解けた。















でも、








解けるのが遅すぎたのかもしれない。
























【完】
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