不思議な“キツネ”ちゃん
キツネ<サイド>

一人で授業中の廊下を歩く。

あのくらいの挑発はしても許されると思う。

私の彼と関係があるだけでも
殺してやりたいくらいなのに。

図書室の隣に隠してある部屋に入ろうと向かう途中、

私が殺してやりたいと思った彼女が、
私を待っているように、いた。



出来れば。



出来れば、今は会いたくなかった。



さっき怒りを吐き出したばかりなのに。



怒りが、またココロに溜まる。


「ねぇ、キツネちゃん」

ああ、頼むから、

これ以上私をイライラさせないで。


「お話、しない?」


鹿野朱里ちゃん、私は貴女が



大っ嫌いで憎いのだから。



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