不思議な“キツネ”ちゃん
「さっき。屋上に、行ってたよね?」
疑問符はついているが、
確かめるような口調で聞いてくる彼女は全てを聞いていたのだろうか。
「ええ、行ったわよ。」
まあ、それでもいい。
そろそろ動こうと思ってたし。
これがいい機会かもしれない。
「何の話をしてたの?」
じっと私の目を見つめる彼女は
ワザと聞いているのか判断がつかない。
「あなたの、過去を。」
が、彼女に対して罪悪感などない私には何の害もない。
「なんで?」
悲しそうに顔を歪める彼女。
「なんで関係もない、彼らに?」
関係もない、ねぇ。
友達ってだけでも、
関係大有りだと思うけど。
それに、
「あなたは彼らのお姫様、でしょ?」