不思議な“キツネ”ちゃん
「私は彼らの、」
「お姫様じゃないって?」
「ええ、そうよ。だから関係は、」
「でも、友達でしょ?」
友達が欲しくて欲しくて。
私が与えた機会という種を育てて、
関係を作り上げたのは彼女自身なのに。
今更、否定するの?
彼女は黙ったまま。
理由は、
「友達でも、ないんだ」
「そんな意味じゃ、」
「それじゃどういう意味なの?」
彼女は彼らを友達ではなく、
【寂しさを埋めてくれる人達】
と無意識にでも思っているから。
だから彼らに自分を知って離れて欲しくない。
そう考えているはずだ。
自分勝手、だ。
「彼らは、」
言いかけた彼女は突然顔色を変えた。
きっと本当の自分がどう思っていたのかに気づいたのだろう。