不思議な“キツネ”ちゃん
「彼ら、は」
言葉が続かないのが証拠。
「否定できないでしょ?」
彼女の性格が元々こうだからなのか。
それとも京さんのせいか。
「結局はあなたも人を自分の利益のために利用していただけ」
まあ、人間誰もが当たり前のようにすることだけどね。
「ね、鹿野朱理さん?」
やっぱり、
彼の事になると冷静に慣れない。
あまりのショックで涙を流す彼女を
図書室に置いたまま自分の部屋に行く。
奥にある真っ白なベットで思い出す。
同じく真っ白なベットで
横たわっていた彼を。
私の生き甲斐であり、
最愛の人を。