不思議な“キツネ”ちゃん
キツネの昔話
キツネになったのはほんの少し前。
中学三年生の時。
私の最愛のアノヒトが死んだ日。
死んだ理由は鹿野朱理。
鹿野京と友好関係にあったアノヒトは
葬式にも参加した。
アノヒトは過去を背負っていた人で。
感情が乏しかった。
それを京さんは知っていて、
理解もしていた。
でも彼女は違った。
京さんが亡くなって墓参りに行こうと
アノヒトは色々な準備をした。
『きっと京は一人で寂しいから』
そういって綺麗な花束やみんなの写真を持って行った。
たまたま、その日私は用事があって。
一緒には行けなかった。
それが大きな間違えだったのに。