不思議な“キツネ”ちゃん


それから朱理を保健室に運んだ。

その間も朱理は起きなくて、
睡眠不足だったんだと推測した。

実際、眠りが浅かった朱理は
いつも夜は京と寝ていた。

そのせいか夜は京がいないと
寝付けない。

だから昼に睡眠をとる。

最近は学校もあるし、
屋上のあいつらに会ってるから、
寝れてないのかもしれない。



どうせ今は放課後だし。

保健室はいつでも貸切だからな。



朱理をベッドに寝かせて保健室から
出ようとしてドアに手をかけると。





ガラガラー。





勝手に開いた。


扉を開けたのはキツネ。

噂でしか聞いたことのないキツネだが
想像通りだった。


真っ黒な和傘を手にして、
真っ赤な着物を着ているキツネは、
何処か人間離れしてるみたいだ。


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