不思議な“キツネ”ちゃん

キツネは包帯とガーゼを
持って出て行った。

あまりにも素早い動きで
俺は止める間もなかった。


キツネの居所は不明のため、
追いかけるのはやめて職員室に戻った。






キツネが仮面の中で泣いていたのも、


朱理がつくった原因で傷ついてるのも、


それで病院が嫌いになったのも、



俺は知らなかった。


知ろうとも、しなかった。




もしも、俺があの時。

キツネを追いかけて知ろうとしたら。


きっとあんなことは起きなかったのに。







たけちゃん《サイド》終わり
< 124 / 163 >

この作品をシェア

pagetop