不思議な“キツネ”ちゃん
キツネっという名前はここら辺の高校に
通う者にとっては有名だ。
何しろここら辺で1番大きな学校である
藤咲学園の支配者だから。
もちろん、キツネ自体が有名でもある。
「おい!マジでキツネかよ!?」
「やべっ俺初めて見たよ!」
「あんま近づくなよ!殺されるぞ!」
放送を聞いたのか呼んでもない生徒が
ゾロゾロと校門に集まった。
みんな頭で激しい自己主張をしてるのに
キツネが怖くて近づけないらしく、
私の半径5m以内には誰もいない。
「なんの用?あんた」
そんな不良達の花道を通ってくるのは
この学校のリーダー矢島隆。
「初めまして。キツネです」
警戒を解かずに、でも美しく礼をする。
矢島隆は唯一の黒髪で顔はまるで
人形のように整っていた。
「ふーん。俺は知っての通り矢島隆」
矢島隆は不機嫌そうな顔を
キツネに向ける。
「藤咲が大っ嫌いで憎んでる、」
「瀬峰のリーダーだよ」