不思議な“キツネ”ちゃん
お互いの本音
朱里〈サイド〉
最近、瀬峰工業高校が動いてるらしい。
優くんが教えてくれた。
敵である瀬峰は卑怯なチームで、
最近は繁華街にいる藤咲の生徒を襲っているらしい。
危ないから外に出来るだけ出るな。
そう、注意された。
けど、こんな時に限って。
油がきれる。
一人暮らししているから料理は自分で作らないといけない。
大抵は焼いたりするから油は必要だ。
卵焼き、目玉焼き、ハンバーグ、オムライス…。
全て油で焼く。
「…はぁ。買いに行くか」
一応、深夜くん達に知らせよう。
今は6時半だから、
深夜くんと優くんはアルバイト中。
7時からはあかりくんが家に帰るし。
啄くんしかいないよね。
正直、啄くんとは行きたくない。
なんていうか、
私の事を嫌っているような。
そんな感じがする。
でも家にパンもないし、オニギリもいいけど結局は買わないといけないし。
「よし!」
携帯から啄くんの番号をタッチする。