不思議な“キツネ”ちゃん
バタバタと廊下を走る。
いつもなら先生が注意するが今は何も言わない。
朱理も必死に俺たちと走る。
きっと焦りと不安と恐怖。
これらが俺たちを動かしてる。
キツネが裏切るとなるとヤバイ。
この学校の全てを知るキツネの情報。
流出するとなると学校内も危険だ。
そうなると俺らのメンツはボロボロ。
誰1人満足に守れない可能性もある。
先生方も生徒もキツネの奴隷になる。
今でもキツネはこの学校の支配者だ。
唯一俺らだけが近づいた。
いや、近づけてくれた。
だから校門で瀬峰の奴らとキツネがいるという今の状況は…。
いや。
でも。
結局困るのはキツネだ。
住処がうるさくなる。
それに生徒からも反発があるかもしれない。
絶対王政は必ず消え去る。
それは全て王のせい。
そしてそんな王を狩るのは、
騎士ではなく、
戦う術をもたない民衆だ。