不思議な“キツネ”ちゃん
キツネ <サイド>
代表グループを呼び出してから五分くらい経つ。
屋上にいたんだろうから遅いかもしれないが、代表としてはダメだろ。
もし私が人質でもとっていたらどうするんだ。
それとも、キツネだから大丈夫とでも思ってるのだろうか。
それなら油断しすぎだ。
別にキツネは学校の味方でもないし、学校の代表でもないから必ずしも学校のために動かなければいけない義務はない。
「なあ、あいつら遅くね?」
「聞こえなかったのかな?」
「まさか。無視してるんじゃねーの」
このままだとキツネの面目が潰れてしまいそうだ。
面目など普段興味はないが、今は別。
この学校の支配者、王様の私を軽く見られては困る相手がいるのに。
玄関を睨んでいると、
「なんでお前らとキツネが一緒にいんだよ」
やっと揃った。
これで準備はできた。
舞台の出演者と私の、愉快な愉快な復讐劇の始まりだ。