不思議な“キツネ”ちゃん
ギー。
さびれたような音がした。
「失礼しまーす」
思わず小さい声になるのは気のせいだ。
べ、別に、
屋上に幽霊が出るとか思ってないし。
こ、怖くなんてないんだから!
屋上の中に一歩踏みいると真っ青な空が
いつもよりも近くに感じた。
うーん、ないな~。
確かにキツネちゃんは
ここにあるっていったのに。
キツネちゃんが落としたのは指輪。
大切な指輪なんだけど、
屋上にいた時に落としちゃったみたい。
赤色でガラスでできてるらしい。
「どこにあるんだろう?」
屋上は広くて、
探すのに時間がかかりそう。
給水タンクの後ろから見ようと思って
後ろに行ってみると。
なんと!
不良君たちがたむろっていた!
しかも不良君たち、
なんか私の事を睨んでるし。
「えっと、こんにちは?」
どうすればいいのかわからなくて
思わず挨拶してしまった。
すると、
綺麗な銀髪の人が
「、、、まだ、おはようじゃない?」
ツッコんできた。
ちょっと恥ずかしくて
腕時計で確認すると12時前。
うーん、
こんにちは、でもいいと思うんだけど。
「えっと、ここの住人?」
なんか、テントあるし。
不良君たちは地面の上に座ってるけど。
一人だけ寝巻きで寝転んでるし。
「へ?住人?」
あれ?違うの?