不思議な“キツネ”ちゃん


睨み合ってる?と疲れたのか、

「チッ。わかったよ、鹿野」

「ありがとう、あなたは?」

先に金髪の人が折れた。

やっぱり、
人に名前を呼んでもらうと嬉しい。


なんか、存在してるみたいで。

私は今ここにいるんだって思える。


「将太郎(しょうたろう)だ」

「ショウ君、でもいい?」

「好きにしろ」

ショウ君は座ってるからよく分かんないけど、

体ががっしりしてるからきっと伸長も

大きいだろうな。


ショウ君はタク君やシンヤ君よりも
男らしかった。

顔とか体つきとか。

ショウ君は同じくシャツだけ。

第3ボタンまで開けていて中の黒い
タンクトップと金色のアクセサリーが見える。


「朱里さん?だっけ」

「うん、そうだよ。あなたは?」

「俺も明(あかり)」

そういって

恥ずかしそうに目を臥せる銀髪の彼。

片方の耳の髪をピンで留めてる。

薄い青色のセーターを着てネクタイを
少し緩めにしめてる。

隣にショウ君がいるからか、
私よりも小さく見える。

か、可愛い。

目鼻立ちがはっきりしていて
ハーフみたい。

目も大きくて女顔のため人形みたい。

シンヤ君も女顔だけど、なんか違う。

「、、、なんて呼べばいい?」

同じ“あかり”だからなんて呼べばいいのかな?

「なんでもいいよ」

ふにゃりと笑った顔は破壊的だった。

「んー、アー君でいい?」

「いいよ」

アー君はそう言って笑った。

、、、可愛い!

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