不思議な“キツネ”ちゃん

アー君に抱きつきたい衝動を我慢する。


「明、可愛いでしょ?」

そう話し掛けたのは、
オレンジっぽい茶髪の人。

柔らかい笑みを浮かべてるせいか、

雰囲気も柔らかくて

儚いイメージをもってしまう。

ブレザーもきちんと着ている彼は
一番真面目にみえた。

「えっと、」

「ああ、俺は優(すぐる)」

「スグル君?」

「なに、朱里ちゃん?」

「ううん、呼んでみただけ」


メガネをかけてるタク君に、
大人っぽい雰囲気のシンヤ君、
頼りになりそうなショウ君、
小動物みたいなアー君、
柔らかい雰囲気の優しそうなスグル君。


不良君たちで少し変わってるけど
友達になれそう。


彼らにあったのは偶然か必然か。

どちらでも別にいい。

出逢いはわかんないけど、

“これから”は、
私自身がなんとかするから。


せっかく友達になれそうな人たちだもの。


「ねえ、私と友達になってくれない?」


ぜひ、友達になってほしい。



鹿野朱里《サイド》終わり

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