不思議な“キツネ”ちゃん
ほんとは今、カレに会えないから、
精神的に辛い。
カレの声が聞きたい。
カレに抱き締められたい。
「でもアイツはもう、生きていないんだぞ!」
そんなカレは去年の秋に逝ってしまった。
カレがいない事は知っている。
でも、やっぱり信じたくなくて。
いつも私はカレの事を想ってる。
「そんな事、言わないで」
「朱里、事実だろ?」
たけちゃんの苦しそうな声が聞こえた。
抱き締められているためたけちゃんの表情は
見ることが出来ないがきっと。
泣きそうな顔をさているのだろう。
カレが大切だったのはたけちゃんも同じ。
そんなカレを亡くして悲しいのは
私だけじゃない。