不思議な“キツネ”ちゃん
でも。
私はまだまだ子供だから。
たけちゃんみたいに
冷静に理解する事が出来ない。
「事実、ね」
誰もいない図書室。
さっき授業が始まったため静かである。
「事実だけど、私はカレを忘れるなんて無理」
あんなに愛してたのに。
簡単には忘れられない。
忘れたくもない。
「、、、」
たけちゃんは何も言わなかった。
去年はずっとカレのお墓のそばにいた。
カレと離れたくなくて。
泣きながらそばにいた。
カレが受けようとしていた学校を受験した。
でも入るつもりはなくて。
だから知り合いのいるこの藤咲高校にきた。