不思議な“キツネ”ちゃん


「ほんとに?やった!」

いきなり飛び上がるあー君に驚きながらも
その様子が未来と同じで笑ってしまう。

「あれ?めずらしいね、いつも忙しいのに」

スグル君に聞かれて思わず苦笑する。

「今日は旅行でいないから」

今頃、きっと海かな?

それともご飯かな?

京のお父さんが経営してる会社は外国でも
有名。

特にリゾートで有名なハワイに旅行してる。

私はまだ一回も外国にいったことないのに。

、、、娘に先を越された。


「だれが、旅行中なんだ~?」

「私の、、って、え?」

吃驚してシンヤ君を見ると私をじっと見てた。

「い、ま。なんて?なんで知ってるの?」


待って。



なんで知ってるの?

彼らに話した?

いつ?


頭が混乱する。


壊れそう、だ。

そう思ったとき落ち着いた声が聞こえた。


「今、朱里がそう言ったんだ」


タク君に言われて思い出す。


わ、私もしかして、

「無意識?」


確かに未来のことで頭一杯だった。

だからかな?


だからだよね。

まさかね、もう彼らを信用したとか。

そんなんじゃ、ないよね。


「わ、私もう戻るね!」

無意識で言ってしまった言葉を
どうやって説明するかわかんなくて。

私は逃げた。


彼らも少し混乱してるみたいだったし。

お互い時間が必要だ。


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