不思議な“キツネ”ちゃん
「でも!これは違うだろ!?」
「何が違うんだよ」
優は落ち着けば冷静に考えることができるはずだ。
「だってあいつも仲間だろ?ここに入れる奴は、」
「それじゃぁさっき入ってきたキツネも仲間なんだ」
「おい、啄!」
啄もなんでそう、扇ぐようなこと言うんだよ。
意見の違い、ってか思考の違いがあるのはしょうがない。
同じ人間ではないのだから。
でも仲間同士の喧嘩は見ているの気分が悪い。
ヒートアップしそうなこの二人をそろそろ止めようかなと思い口を挟む。
「はい、ストーップ!!」
俺がなぜかいつも宥め役なんだよなー。
まぁ、深夜とか翔太郎とかが
宥め役だったら火に油を注ぐようなもんだけど。
「朱理ちゃんは仲間だけど仲間じゃないよ」
「はあ?何言ってんだ、明」
優が変な目で見てくるが深夜と翔太郎は俺の言った意味がわかったのか別なところに視線をやっている。
啄は何かかんがえているようだ。
「実際、俺らは朱理ちゃんの事をあまり知らない。もちろん、朱理ちゃんもだけど」
「俺以外はな」
「はい、翔太郎は黙る。
優の言うとおりここに入れるのは仲間だけだよ。でも朱理ちゃんは例外だろ?
仲間にする前に先にここに来たんだ。
だから正式な仲間ではない」
「でも、」
「それに。心が通じ合ってない。
俺らの仲間の定義は心で繋がれる事だ。
心が通じ合ってないと繋がってないことと同じだ」