プリンスの気まぐれ

廊下に出るとまたキャーキャー。
毎日毎日よく飽きないなーと思う。

うちの学校は幼稚舎からエスカレーターとはいえ、
中等部、高等部、大学の各段階で、
外部からも入学者がある。

私たちとは違い、彼女たちにとって宮様は高嶺の花であり、
それと同時にもし自分が宮様のお相手になれたら…という憧れの対象でもあるのだ。

それはこの姉弟がお2人ともお母様に似て端正な顔だちだからというのもある。

そして私たち内部進学組にとっては中等部というのは自分が置かれている立場を理解し始める頃であり、
宮様などという高嶺の花に憧れるのもやめる年頃である。
幼稚舎からの内部進学組は、
古くからの財閥のお家柄や、会社社長、病院のお家などで構成され、
現代でも政略結婚がないとは言えない。
そしてそんなお家にとって天皇家は自分の子どもと結婚させてもこちらには何の得もない家だ。

つまり、そんな人に憧れても意味がない、というか、どうにもならないのである。
< 7 / 17 >

この作品をシェア

pagetop