小さな恋のうた
今まではこんなことはなかった。
独りでいることが苦にならなかった。

むしろ独りの方が、剣や魔力の修練に集
中できていいとすら思っていた。

それが今日に限ってなぜ?

「ハッ!ヤッ!トゥッ!」

身体を動かせば少しは気が晴れるかと 思って宝剣を振るって稽古をするが、 まったく身が入らない。

くそっ。いったい何だっていうんだ! 何でこんなに落ち着かないんだ!

ついには宝剣を放り投げてベッドに横に なってしまった。
体がけだるい。
何もやる気が起こらない。
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