小さな恋のうた
けれど……

「ただ今戻りました。琥珀様」

「あ、あぁ。お帰り」

愛裕の顔を見た瞬間、琥珀は心の底からホッとしている自分を感じていた。

まるで、心にポッカリ空いてしまった穴 に何かがすっぽりと収まるような感触。 自分に欠けていた何かが戻ってきたよう に感じる。
この安心感。

「お呼びということでしたが、何の御用 でしょうか」

「いや!特に用はないんだ。その……」

「?戻ったら琥珀様のところに行けと言 われていたのですが?」

「そ、そうだったな。じゃあ、
とりあいず紅茶でも淹れてもらおうか」

「はい。わかりました琥珀様」
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