小さな恋のうた
どうして?どうしてオレはこんなにホッとしてるんだ………
あいつがオレの傍にいる、
それだけなのに……



お茶の用意を始める愛裕を見つめなが ら琥珀は自分の心を捉えることができず に、困惑していた。

その困惑さえ、愛裕によってもたらされた、そう思うと心地良い。

愛裕が今、自分の傍にいる。
自分の傍で自分に尽くしてくれている。 この少女の全てが今、自分のためにある ような錯覚すら覚える。

それが嬉しい。
琥珀はその安堵感に酔いしれた。

至福の一時。

・・そう、一時。
至福の一時は文字通り、

しか続かなかった・・・
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