小さな恋のうた
愛裕が居るのはどこかの病院の個室らしい。
白いベッドに点滴用のスタンドとチュー ブ、その他医療品らしきものが置かれて いる。
無論、琥珀が気にしたのはそんなもので はない。
琥珀に苦鳴を漏らさせたもの。

それはベッドに横たわる青年の姿だっ た。

年齢は自分や愛裕よりも7~10才くらい上だろうか。

少し目つきのきつい、しかし爽やかな風 貌をしている。
どうやらかなり重い病気にかかっている ようだ。
表情に生気がなく、その頬もやつれて見 える。
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