小さな恋のうた
律を睨みつける琥珀の目。
これがあの優しかった琥珀様の目なの か?
人がこれほどまでに憎悪に狂った目を見 せるものなのか?
圧倒的な憎悪と狂気を孕んだ瞳。

それにこの琥珀の魔力。
琥珀の魔力は今も暴走している。
それを想像を絶する精神力で押さえつけ ているのだ。
いや、精神力で押さえ込んでいるという のとは少し違う。
あまりにも強い憎しみが逆に魔力の激発 を押さえ込んでいるらしい。
憎悪の対象に叩きつけるために魔力を溜 め込んでいる、そんな感じだ。

いったい何を、いや、誰をそこまで憎ん でいるのか・・・?
そこまで律の考えが及んだ時、琥珀の方 から律に声がかかった。
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