小さな恋のうた
数分後………。

「お待たせ~♪」

愛裕と紫苑は琥珀が待っている場所に走って来た。愛裕は可愛い服など1つも持っていなく、紫苑に貸してもらった。
それは、まるで愛裕が持っていないと分かっていて最初から出掛けると決めていたかのように。
紫苑にお化粧やら、髪をアレンジまでしてもらった。その時、分かったことは本当に紫苑が優しいこと。こっちが安心するほど暖かい笑顔をすること。そして、最初の元気そうなイメージから少し変わり、考え方が大人っぽくしっかりしている、そんなことが分かった。
あ愛裕の可愛らしい姿を見て、琥珀はほんのりと頬を赤くそめた。愛裕も、普段のスーツ姿などピシッとした格好とは違くラフの格好を見て、顔を赤く染めた。
………そして、紫苑は悲しそうな顔でそんな二人を見ていた。

「そ、それじゃあ行くか」

琥珀はまだ少し赤い顔をしながら言った。
―――美少女二人と美少年一人が、一緒に歩いているという異様な光景………。
周りの人は必ず振り向いて三人を見たらしい………。
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