愛の言葉は囁かない
頭も打たず、車もブレーキを必死でかけてくれたらしくて、おかげでそんなに大きな怪我はしなかった。
ただ…
私の左足は少しだけ、不自由になった。
「あとちょっとだよ、結愛」
その不自由さも、リハビリのおかげでほんの少しだけになれた。
ゆう兄ちゃんはいつも私に付き添って、リハビリに付き合って私を励ましてくれた。
本当はつらくてつらくて
リハビリなんてしたくなかった。
やめてしまいたかった。
それでも頑張れたのは、ゆう兄ちゃんがいてくれたから。