愛の言葉は囁かない
「おはよ結愛」
「おはようゆう兄ちゃんっ」
ゆう兄ちゃんはそれから、毎朝私を迎えに来てくれた。
帰るときも、私の教室まで来てくれた。
「あのねあのね、今日ね…―」
私のせいで、ゆっくりになっちゃうペースに、ゆう兄ちゃんは文句を言わず合わせてくれる。
私が話すことに、優しく微笑んでくれる。
この時間が好きだった。
大好きな大好きなゆう兄ちゃんを、独り占め。
私は、幸せだった。
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