愛の言葉は囁かない
「あの、結愛ちゃんだよね…?」
学校で、知らない女の先輩に話しかけられた。
「はい…?」
何の用だろ…?
首を傾げる私にその人は
「ここじゃちょっと…」
そう言って人気のないところに誘った。
歩くスピードが早くて…少しだけ、つかれた。
「単刀直入に聞くけど…」
目的の場所までついたのか、私の少し前を歩いていたその人は振り向いた。
意を決したような顔で
「裕貴くんと付き合っているの?」
思いも寄らないことを聞いてきた。