愛の言葉は囁かない
graduation
「おめでとう裕貴くん。
また、離れちゃうね」
「ありがとう。
そうだな…少し、寂しいね」
「少しだけ?」
私が少しムウッとすると
「だって家近いし。
送り迎えして、いつでも会えて。
ずっと一緒にいるんだから、何も変わらないだろ?」
クスッと笑って、裕貴くんは頭を撫でた。
それだけで嬉しくなる私は、なんて単純なんだろうと自分でも思う。