愛の言葉は囁かない
「じゃあな、今日も勉強頑張れよ」
「うんっ裕貴くんもね」
くしゃっと頭を撫でて、裕貴くんは来た道を戻っていった。
裕貴くんは一旦家に戻って、少しのんびりした後、車で大学に行く。
やっぱり高校生の私から見たら大学生って大人で、そして自由。
またさらに、裕貴くんとの差が開いてしまった気持ちになる。
はやく、はやく大学生になりたい。
どんなに頑張っても、同じ歳にはなれないから。
せめて、同じ『大学生』になりたい。