愛の言葉は囁かない
2度目の受験は、1度目より厳しい。
裕貴くんがいなくて、少し物足りなさを感じる学校生活はほんの少し退屈で。
裕貴くんに早く追いつきたいと焦る私にとって、時間の経過が遅い気がしていたのに。
いつの間にか、私は高校3年。受験生と呼ばれる学年になっていた。
3年前の受験より覚える英単語が何倍にも増え、世界の過去にも目を向けて…―
「もぅ、やだ…」
休み時間。
クラスの誰かがポツリと呟く。
「私、浪人する」
「俺、ニート目指す」
それをきっかけに、みんな次々と弱音を吐き出す。
空気がどんよりするのは、受験生が集まれば当然で。
それに
「ウチら浪人出来ないんだよね…」