人間ゲーム
【第12章】再びの公立の高校
テスト
ピピピ‥‥♪
腕だけ伸ばして、目覚まし時計のベルを止める。
窓の方を見ると、カーテンの隙間から眩しい光が差し込んでいた。
「ヤバッ!!早く準備しねーと!」
急いで起きてあたりを見渡すと、昨日と全く変わっていない。
いつも広人と同じ私立の制服をかけていた場所には、公立の制服がかけてある。
本当にあれは夢だったのか‥‥。
改めて夢だとわかるとため息がでてしまう。
いや、そんなため息をついている暇はない!!
急いで学校へ行く準備を!!
朝風呂といってもシャワーだが、急いで体をキレイにして学校へ行く支度を済ませた。
「お!髪を整えて、朝ご飯つくって、食べても余裕で学校につくな。」
白い携帯電話で時間を確認しながらリビングへと向かった。
もちろんあの黒い携帯電話はどこにもなかった。
ガチャ。
「あら?修也??変な物音するかと思ったけど起きてたのね。」
そう言いながら母さんが、エプロン姿で朝ご飯をテーブルの上に並べていた。
あ、そっか‥。
これからオレがご飯をつくる必要がないのか‥‥。
ラクになって良いが、少し寂しく感じた。
それと同時に恥ずかしくもなる。
本当にこういう勘違いはなくしていこう。
そう心の中で誓っていたとき、ボサボサの髪をした広人がリビングへやってきた。
まだ寝ぼけているようでゴシゴシと目をこすったり、頬を軽くつねったりしている。
こういうところは全然高校生には見えないんだよな‥‥。