人間ゲーム
【第3章】私立の高校
転校
そして、ついに待ちに待った日がやってきた。
前の学校の制服を着て、黒い猫のカバンの中には白い携帯電話と筆記用具、メモ帳、それにあのクシャクシャにしたパンフレットを入れて学校へと向かった。
パンフレットを持っていく理由は、特になかった。
ただこの学校の状況をパンフレットを見た瞬間わかってしまい‥‥。
怒りを表現したかったのかもしれない。
「意外と人数が多いんだな、うっ‥気持ちが悪くなってきた。」
人の多さに少し酔いながら職員室へと向かう。
職員室の中では、楽しく雑談をする生徒と先生や、提出物を出したり用事のある生徒でいっぱいだ。
「担任はどこだよ‥。」
そう呟きながら担任となる先生に会うために、人をかき分けながら捜す。
そしてなんとかたどり着き、軽く挨拶をすませると職員室を出て、二人並んで歩き始めた。
「君が入るクラスは皆仲が良くて、とても楽しいクラスだよ。」
職員室を出てから少しの沈黙が流れた後、先生の方から話しかけてきた。
話す話題をずっと考えていたのだろうか?
これからオレが何をするのかも知らずに、ニコニコと話している。
オレもそれに少し笑顔を浮かべながら、返事をする。
先生はそう言っているが、本当にそうなのだろうか‥?
そう思っただけで、自然と笑みがこぼれてきた。