人間ゲーム


チュン‥チュンチュン‥。


「‥‥‥ん‥‥‥、朝‥‥だな。」


寝るときに閉め忘れていたカーテンの隙間から眩しい光が差し込む。


どこからか鳥の鳴き声が聞こえてくる。


暑いな‥‥。


手で首を触ると汗がついた。


夏ってこんなに暑かったっけ‥?


そんなことを思いながら、急いでキッチンへと向かう。


「うおっ!?‥なんだ広人か。」


「あれ?兄ちゃんも?」


キッチンには氷を入れた冷水を飲む広人がいた。


お互い苦笑いしながら音をたてて冷水を飲み、ご飯を食べる前に学校へ行く準備をすることにした。


「懐かしいな‥この制服。」


現実で着たこともない制服を懐かしみながら着る。


これからどうなってしまうか。


二つパターンがある。


一つ目はこれからゲームが始まる。


二つ目はただの夢でそのまま卒業する。


二つ目であって欲しいと切実に願う。


「兄ちゃーん!ご飯出来たよー。」


よし、行くか!!!


リビングへ行き、急いでご飯を食べた。


途中で喉に詰まったが何とか飲み込んで
あわただしい朝食をすませた。


「じゃ、いってくるから!」


「あら?広人とは行かないの?」


玄関で母さんが不思議そうにオレを見つめる。


「あ、あーちょっと見たい物がたくさんあるから今日は急ぐ!」


「そうなの、じゃあ頑張ってらっしゃい。」



「あぁ!頑張ってくる!」


勢いよくドアを開けて小走りで学校へと急いだ。


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