人間ゲーム
何とかチャイムが鳴る前に職員室へたどり着いた。
ホームルームまで時間がないせいか、生徒は誰一人いない。
先生しかいない職員室はやけに静かだ。
資料を片付ける先生や、パソコンで何かを調べている先生だらけだ。
何故雑談しねーんだろう。
生徒たちの前だとあんなに楽しそうに話していたのに‥。
まぁ、夢だしな‥‥たかが‥。
「そんなことより先生は‥いた。」
人をかき分けることなくすぐに担任となる先生を見つけた。
「あの、清川修也ですけど‥‥。」
オレが名前を言うと、転校生ねと机に置かれているクラス名簿を手に取る先生。
夢と違い綺麗な女性の先生だ。
「アナタの担任になる嘉藤リイヤよ。よろしくね。」
その先生の第一印象は香水がキツいだった。
髪は明るい茶色で、目は水色。
一目でどこかのハーフだとわかる。
そして一番驚いたのは服装。
先生とは思えないほどの派手な服を着ている。
「時間もないし、行きましょう。」
髪を手でなびかせた後、先生に背中を押されながら職員室を出た。