人間ゲーム
「ねーねー!」
「聞きたいことがある!」
案の定、一気にオレの周りを囲む生徒たち。
それを苦笑いしながら応えるオレ。
すぐにこのクラスに溶け込んだ気がした。
「嘉藤リイヤ先生ってどこのハーフなんだ?」
一通り質問にこたえ、次にオレが皆に質問をする。
オレにとっては素朴の疑問だったが、皆キョトンとした顔でオレを見ていた。
オレ変なこといったか??
そんなことを思っていたら一人の男子がハァとため息をついた。
「あのな、あの先生は日本人だぞー、
確かにカラコンはしてるけどな!」
声のする方向にはあの伊藤翔がいた。
え!?日本人!!?
伊藤翔!?
色々な驚きが混じり、顔にでてしまう。
「そ、そうなのか‥‥。」
返す言葉が見つからなかった。
カラーコンタクト‥。
だから目の色が日本人っぽくなかったのか。
何故かショックを受けた。
それに伊藤翔がいたことにも驚いた。
いや、もしかしたら名前が違うかもしれないな‥。
一応聞いてみるか。
オレはその男子生徒に声をかけた。
「‥あの‥名前は‥?」
人が多かったせいで、皆誰に言ったかわからない様子だったが、オレが一人の男子を指差しその方向を向く。
「あ?あぁ、オレか?オレは伊藤翔。
自称潔癖症だ!よろしく。」
ニヤニヤと笑いながらオレに握手を求めてきた。
驚きの連続で心臓が持たない。
オレは痛い心臓を手でおさえたが、それでも笑顔を保ち翔と握手をした。