人間ゲーム
ホームルームが終わった後、オレの机の周りを大勢の生徒たちが囲む。
噂を聞いたのか、廊下にもオレを見に来たのであろう生徒たちがいた。
生徒たちの瞳は、まるで有名人でも見ているかのようにキラキラと輝いている。
オレが予想していた以上に、転校生は一時期人気者?になるらしい。
オレが何を思っているのかも知らない生徒たちは、オレに一方的に話し続ける。
こういう時、人間は便利だ。
言わないと伝わない人間にとって、頭の中でオレが何を想像しているのかは、相手に伝わるとこはない。
そんなことを思っていると、目の前にいた男子生徒が手を挙げた。
「なぁ、なんで今の時期に来たんだ?」
「それ私も聞きたかったー!!」
やっぱり言われるよな‥。
昨日、今日言われるであろうことを一通り考えていて良かった。
「あぁ、ちょっとここでやりたいことがあってな。」
「やりたいこと?何なの??」
「そうだな、いつかわかるよ。」
嘘はついていない。
ただオレはゲームがしたいだけ。
だが前の学校では、邪魔な感情でゲームをすることに戸惑う可能性があり、やめた。
そして偶然オレがこの私立の学校を受験していたから、この学校でゲームをすることにした。
他に理由なんてオレには‥‥、ない‥。