人間ゲーム
やはり皆、表面だけ明るく誰も内田幸平の話しはしなかった。
先生すら、昨日起きたことを一言も喋っていない。
昨日のことを忘れたいのだろうか?
それともいつの間にか言ってはいけない暗黙ワードになってしまったのか?
「これからどうなるか‥‥ん?」
気のせいか‥?
今誰かに見られていた気がした。
まさか誰かにばれたのか!?
‥‥そんなわけないか‥。
仮にそうだとしたら、今頃オレに聞いているか、噂になっているだろうしな。
考えすぎだな、オレ‥。
「はー‥。」
「お?どうした?悩みか??それなら聞くよ~ん。」
休み時間にため息をついた所を見られ、翔がニヤニヤしながら話しかけてきた。
「いや‥?なんでもない。」
なぜこいつはニヤニヤしているんだ?
あえて言わずに、何事もないようなフリをする。
「そうかい?それにしても、皆内田の事を話さないな~。」
そう言いながら、翔の目は教室にいる生徒たちを眺めている。
何を考えながら眺めているのか、オレには全くわからなかった。
翔も気づいてたのか。