人間ゲーム


だが伊藤翔のように観察することが得意なヤツがいたら?


オレが主催者だと気づかれてしまう日がくる。


これまでの計画が水の泡になってしまう。


だが‥‥。


もう戻ることは出来ない。


いや、人を殺して元に戻ろうとするのはおかしいだろうが‥。


「まぁ、昨日の事があったおかげで、アイツが少し助かってんだけどな~。何とも言えないわ。」


「アイツ‥か?」


オレが聞くとハッとした表情をした。


「あ‥。いや~、何でもない。」


そう言いながら笑っていたが、一瞬違った笑顔になっていたのをオレは見逃さなかった。


「ん、そうか?ならいいけど。」


「お~!気にするな!」


あえて何も言わないまま、休み時間は終わった。



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