人間ゲーム
「あはは、そうかもね。」
そうかもって‥。
「でも、私を助けてくれたんだから‥もしそうでも私にとってはいい人だよ!うん!!」
変なヤツだな。
でもなぜかとても懐かしくて大切だった人に似ていた気がする。
夢で見たような暖かい感じの‥。
オレ気がするばっかりだな‥。
「おっと‥‥。」
殴られたせいか、動いた時に眩んでしまった。
「ぅわ!!あの子に殴られたもんね!大丈夫!?」
オロオロとする三浦百子。
「大丈夫だ‥、痛むけどな。」
「なら良かった‥。あ、清川君はお買い物?」
「あ!そうだった‥、夜飯買わないと。」
すっかり忘れてた!
「そっか、じゃあね。」
「あぁ、三浦さんいつもこうして笑ってたらいいのに。」
「‥いつもはムリだよ?」
「そうだな。」
いつの間にか二人で笑っていた。
教室では見せることのなかった笑顔でオレと話していたが、それがとても悲しい表情にも見えた。
やはり教室があるから笑うヤツも笑えないのだろう。
「あ、財布‥。」
「あ!もらってなかったね!」
せめてクラスだけでも早く崩壊させなくてはな‥。
財布には銀の刺繍でSときざまれている。
何だろ?
少し疑問を残しながら素直な笑顔を見せて、スーパーへと向かった。