人間ゲーム
「ん?体育館がやけににぎわってるな‥。」
少し行ってみるか。
体育館に入ってみると、バスケ部の合同練習らしく二校ぐらいのバスケ部が来ていた。
「‥修也?おー!!やっぱり修也!」
振り返ると、そこには黒のジャージを着た未来の姿があった。
「未来!?」
「ははっ、いや~久しぶりだな!やっぱりこの高校にいたのかー。」
やっぱり?
いや、オレが私立に行くことぐらい未来にだって予測できたわけだし‥。
誰もが使う「やっぱり」という言葉に、オレは疑問をいだいた。
「お、清川じゃーん!何?このイケメンとは友だちかな??」
汗をタオルで拭きながら、オレに気づいた渡総馬が話しかけてきた。
渡総馬は、翔とはとても仲がよく、チャラいで有名で、ババぬきゲームの時も盛り上げていた。
「あ、修也の友だち?ども!佐東未来です!そっちは?」
「渡総馬~、よろしくな!イケメン君。」
この二人、意外と仲良くなれそうだな。
「お前がバスケ見にくるなんてな。」
「いや、バスケには興味ないけど、にぎわってるなと思って。」
「そこはバスケ好きとか言えや~!」
「修也そんなノリしないから。」
「え!?マジかよ!」
「いいじゃねーか、別に。」
少し見るつもりだったが、もう五分も話している。
「あーぁ、お前がバスケ部見にくるなんて広人がいたら‥。」
「‥ひろと?」
オレが聞くと、未来がハッとした表情を見せた。
ふと渡総馬の顔を見ると、驚いたような顔を見せている。