人間ゲーム
顔を触るとやはり、雫がついている。
これであの夢を全て見た気がする。
そして‥。
記憶がつながった。
穴が開いていたものが塞ががったような気分。
「そうか、そうだったのか‥。」
誰もいないリビングでブツブツと呟く。
電気をつけたまま寝てしまったようで、カーテンの隙間から見える窓の外はとても暗く、恐怖すら感じる。
記憶がよみがえって良かったのか悪かったのかわからない‥。
だがオレのなくしていた記憶がよみがえってしまった。
そして新たな感情が目覚める。
悲しみ、怒りに無念、自分への無力という感情が加わった。
オレの両親はいつの間にかいなくなった。
そうずっと思っていた。
だが違う。
オレは知っていたんだ‥。
父さん、母さんのことも。
そして広人のことも‥。
全てを‥‥。
広人‥。
お前は。