人間ゲーム
三浦百子はえ?っと言って少し暗い顔をした。
「うん、ちょっとね‥?放課後あの子たちに教室のドアのカギ閉められて‥。」
「なるほどな‥。」
またアイツらにやられたのか‥。
まぁ大丈夫なんだけどね?と笑っていたが作り笑いということがすぐわかる。
感情がない空っぽの笑顔だ。
「いじめないでよ!‥とか言えばいいんじゃないか?」
女子の声のマネをして言ってみたのだが、変声期を過ぎたオレの声は、正直言うとキモかった。
でも三浦百子が笑っているし、いいか。
「あはは、そんなこと言えないよ!私はあなたみたいに強くないから‥。」
強い‥‥このオレが‥?
弟のためにこの学校を壊そうとしているこのオレが‥。
強い‥?
「三浦さんが思っているより全然強くねーよ‥、自分の無力さにどれほど後悔したか‥。」
そう言いながらオレの拳を握った。
そう‥。
オレがもっと強くて、もっといい兄貴だったらあんなことにはならなかったのに‥。
握った拳に自然に力がはいる。
「いや!強いよ!だって何回も助けてくれたもの!!強くなかったらそんなこと出来ないよ!」
「それは‥ついでに的な‥。」
「ついででもスゴいよ!!」
強い口調で言われ、思わず首を縦に頷く。