人間ゲーム
「‥‥ん‥‥お兄ちゃん?」
お兄ちゃん‥?
三浦百子の方を見ると意識はもうろうとしているが目が覚めた。
「大丈夫か!?今救急車呼ぶから!」
白い携帯を取り出そうとした時、三浦百子がオレの手を掴んだ。
「え‥?」
「‥いいよ、呼ばなくて‥‥。」
「何言ってるんだよ!!早くしないとお前は‥‥。」
オレがあの言葉を言おうとしたら三浦百子は少し笑っていた。
「死ぬんでしょ?‥知ってるよ‥だって自分で‥そうしたんだからー‥。」
「は?‥どういうことだ!?やっぱりお前‥‥。」
「ダメだったんだ‥生きることが‥疲れた‥の‥あのね、ありがとう‥。」
「そんなことはないだろ!!今日だってあんなに楽しかったじゃねーか!」
「はは、そうだね‥‥楽しかったね‥そうだ、お兄ちゃんにこれあげてくれ‥ない?名前はい‥‥。」
名前を言いかけた時涙を流して、ゆっくりと目をとじた。
「‥おい?‥‥おい!!」
三浦百子が目を開けることは二度とないことをオレは理解した。
「クソォォォォオオオ!!!」
薄暗い教室でまるで雄叫びをあげるように腹の底から声を出し、叫ぶ。
お前は最後に何が言いたかったんだ?
三浦百子の手にはあのSと刻まれた財布が握られていた。
「わかったよ‥これを兄貴に渡す。」
三浦百子の前決意し、家へと帰った。